流通システム/物流システム徒然記
話は1960年代のアメリカにさかのぼります。
既にクルマ社会のアメリカはスーパーで買物する場合、カート一杯にして商品を購入します。
1回に購入する量が非常に多いアメリカにとっては、POSシステムの導入は必要に迫られたものだったそうなー。
しかし、当時はバーコードに共通のルールが無く、それ故 肝心のバーコードをいちいち商品に貼る必要があった。これは、とても大変な労力となります。
そんな手間隙がかかるシステムが広く普及するはずはないですよね。
そんな中、1971年アメリカで標準化委員会※が設置され、バーコードは統一への道を歩みます。
そして、POSシステムは1970年代中頃から急速に広がり出します。
日本も1978年にJANコードが規格された頃から、バーコードの存在は急速に認知されます。
若い人ならPOSは生まれたときから目にしているので珍しくも何とも思わないでしょうが、古い世代の人にとって、バーコードによるPOSシステムは夢のような画期的なシステムだったんです。(私しゃ、いつの時代の人間なんだ~)
POSデータと商品の流れ
一般的なPOSシステムを記載しますね。
まずは何は無くともPOSレジスター(通称POSレジ)が必要です。
親分となるコンピュータがストアコンピューターと呼ばれます。
勿論、POSレジは単独でも機能します。情報を蓄積して 後でストアコンピューターにデータを渡せば良いわけです。
昔ならPOSシステムを導入するには ホストコンピュータを設置する必要があり、億単位の導入費用が必要だったんです。
IBMのメインフレーム全盛時代のコンピュータの導入は莫大な費用がかかったものです。
今じゃPOSレジそのものは 数十万円で購入出来ます。
単独(スタンドアロン)なら超お手頃価格で導入できます。
POSレジとコンピュータを連動させた在庫管理/販売管理等のPOSシステムも 当時に比べれば信じられない程の低価格で導入できます。
もっとも、これはWindows搭載のパソコンが広く浸透したお陰とも言えます。
オープンPOSとしてPOS仕様は公開されています。
メーカーやソフト開発会社は、この仕様に合わせて製品を開発すればいい訳です。
プログラミングが出来る人であれば、バーコードを読み取るシステムの開発そのものは、それほど難しいものではありません。
ホント、いい時代になりました。
大手コンビニであれば、ベンダーに委託して大掛かりなサーバーを導入しています。
これは、システム維持費だけでも年間数十~百億近くはいくでしょう。(確かな情報が公開されていないので、あくまで推測ですが)
1971年:シンボル標準化委員会(UPC:Universal Product Code)発足
1973年:IBM社と一緒にUPCコード決定(米国)
1977年:EANコード決定(西欧各国)
1978年:JANコード決定(日本)JANコードはこのあと詳しく触れます