自分コンピュータ史

133 マイクロソフトマネー

1998年代前半~2000年代初頭

時期は曖昧だが Microsoft Money なるものがあった。
Windowsを制覇したマイクロソフトの出す個人向けファイナンスソフトだ。他の企業が提供する家計簿ソフトはあったものの、個人の資産をサポートするソフトは無かった。興味があったので、さっそく初期バージョンを購入した。


Microsoft Money Plus Edition(2008)

記憶を頼りに調べると、当時に購入したパッケージソフトが見つかった。「あっ!これこれ!購入したものと同じパッケージだ」と、眺めるとWindows98対応と記載されている。

更に調べだすと、日本語版は2007年10月に発売されたMicrosoft Money Plus Edition(2008)のようだ。既にVersion 6.5なので、全然初期バージョンではなかった。

マイクロソフトの出すソフトだから機能もそこそこ充実していると思った。これだけバージョンアップを繰り返していながら当時使用した私の感想は「全然使えなかった」

使えなかった理由は、やはり最低限のファイナンス知識が必要だったにも関わらず、その前提知識の全くない私には「猫に小判」だったのだ。資産運用と称されても何をどうして管理して良いやらさっぱり分からなかった。


Money Plus Sunset Deluxe日本語版

簡単な家計簿ソフトでも銀行口座などの初期設定はあるが、マイクロソフトマネーの初期データ設定は そのレベルを超えていた。いきなり銀行口座・クレジットカード・株式などの各種データ入力を要求され、中途半端なデータでは、まるで役に立たない結果しか表示してくれなかった。
さらに、ソフトの操作性がまるで洗練されていなかった。とてもバージョンアップを繰り返しているソフトと思えなかった。表示されたグラフも視覚的情報が安っぽく「このグラフがいったい何の役に立つの?」が正直な印象だった。とにかくデータをこまめに入力しないとまるで役に立たないのだ。

知識のない私が悪いのだが、「あ~こりゃ駄目だ!自分には使いこなせない!」と、いつしか放棄してしまった。それ以降はまるで関心を持たなくなった。日本語版が発売されてから2年後に販売終了となり、2011年に機能を制限した無償版の「Money Plus Sunset Deluxe日本語版」を公開している。
但し、この無償版をダウンロード出来るマイクロソフトのサイトも公開されなくなった。


お手軽高機能スマホアプリが各社から登場する

当時 私が購入し、操作したマイクロソフトマネーは、既に銀行連携機能はあったかもしれない。
しかし、現在他社のソフトは スマートフォンと連携し、電子マネー完全対応、クレジットカードとの連携、銀行との連携、レシート自動読み取り機能、家族とのマネー連携など、さまざまな機能を提供している。それも超お手頃価格で。もはやマイクロソフトがこの分野に参入するとは思えない。

ひとまず、マイクロソフトも個人ファイナンス分野に参入した良き時代があったことを記載しておきます。

家計簿ソフト

小難しいファイナンスソフトよりも家計簿ソフトの方が分かり易かった。

次期は前後するが、「ボーステックのハイパー家計簿」と「テクニカルソフトのてきぱき家計簿マム」をそれぞれ別の期間使用していた。当時、シェアウェアを含めて幾つかの家計簿ソフトを試したが、市場に出ているソフトの中でこの2つのソフトが最も使い易かった。主婦にも簡単優しい操作だったはずだ。

実際のところマイクロソフトマネーの購入は、家計簿ソフトに物足りなさを感じてだったのだが。

家計簿ソフトは主婦の方がメインに使用するため、データ入力さえ完全ならば、色々な角度で収支報告を表示してくれる。PCが浸透する頃は、これだけで便利で面白かった。勿論、レシート見ながらデータ入力は必須だが。

しかし、「残高は幾らあるかな?」だけに終わっていた。その程度なら銀行通帳やメモった紙を見れば済んでしまう。2年ほどデータ入力はしたものの、いつしか使わなくなってしまった。まあ そんなもんだろう。


てきぱき家計簿マム4の画面

ちなみに・・・
「ボーステックのハイパー家計簿」のボーステックは、各種ゲームソフトで名を馳せるが2009年に消滅している。「テクニカルソフトのてきぱき家計簿マム」のテクニカルソフトは、2019年1月サンワサプライ株式会社と合併し、「てきぱき家計簿マム」は関連会社のサンテク株式会社が行っている。

当時 活躍していた会社の今を調べると寂しい結果となることが多い。祇園精舎の鐘の声だ。

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