自分とコンピュータ史

ドウイン、模倣から本物へ(#212)

2010年~2014年頃
ティック・トック(#2/6)

前回 バイトダンス社の主力アプリのトウティアオは、レコメンド機能が充実していると書いた。そして、現在も中国内の情報発信サイトとして健在で、バイトダンス社の主力アプリの一つになっている。


VineからMindie、Musical.ly、Douyin、TikTokへ(拡大)

それ以上に人気があるのがドウイン(抖音)って呼ばれるアプリだ。そして、その国際版がTikTok(ティックトック)って訳。

まあニュース発信情報サイトのトウティアオ(約3億ユーザー)とエンタメ系のドウイン(約8億ユーザー)とでは使用目的が全然違うから、優劣をつけることに意味がないけどね。

左の線表は「なぜ、TikTokは世界一になれたのか(2022年、かんき出版)」の285頁の図を自分で大幅に追加アレンジしたもの。

その書籍を読んで、勝手な判断ながらTikTokへの点と線を考えると、Vine(バイン)、Mindie(ミンディ)、Dubsmash(ダブスマッシュ)、Musical.ly(ミュージカリー)、A.me(エイミー)、ドウイン(Douyin/抖音)そしてTikTokへと繋がると思う。

ドウイン誕生までの過程

2012年米国、Vine(バイン)の試作公開版が非常に高い評価を得て、正式リリース前に関わらずTwitterのジャックドーシーがVineを3,000万ドルで買収する。まもなくInstagramも負けずに動画を投稿機能を加える。


2013年、パリの学生たちから生まれたMindie(注)

2013年、パリの4人の学生(シモン、グレゴワール、クレマン、スタニスラス)が動画を音楽に加えたショート動画 Mindie(ミンディ)を公開する。MindieとはMainstreamとIndieを合わせた造語のようだ。地味なデビューながら iPhoneの全画面を動画が表示されることで評判は上々だった。それまでのVineやInstagramは正方形の動画だったんだよ。


6秒動画で新しい短尺動画文化を切り開いたVine(注)

上々の評判でMindieのメンバーは事業拡大(資金調達)にパリからロスへ移住するんだ。
ほぼ同時期の2014年4月、アメリカ在住の2人の中国人がMusical.lyなるアプリを立ち上げる。同年7月にリリースし、大成功をおさめる。それはMindieと見た目がそっくりの動画アプリだったんだ。2014年後半の最盛期は5人に1人のアメリカの子供たちがMusical.lyを使っていたらしい。


音楽に合わせたリップシンクやダンス動画Musical.ly(注)

Musical.lyからA.me、Douyinへ

さらにMindieの登場と同じ時代にドイツからDubsmash(ダブスマッシュ)なるリップシンク(クチパク)アプリが登場する。これは10秒のクチパク動画を作成するだけの単純アプリだったようだ。

この頃にさまざまなショート動画アプリが世界中のあちこちで登場し、消えていくって訳。最終的に Musical.ly がバイトダンス社にとって大きな影響を与えることになる。とは言っても Musical.ly も資金確保に悪戦苦闘しながら成長するんだけどね。


Musical.lyを参考に、A.meからDouyinへ(注)

この Musical.ly はリップシンク分野に進出し、あの手この手の手法で それなりにユーザーを獲得する。ところが、2016年中頃にバイトダンス社が Musical.ly の完全模倣版 A.me(エイミー)を投入する。A.meはバイトダンス社内で僅かな予算で運営された社内実験レベルのものだった。

しかし、これが評判上々、直ぐに その A.me を改良し 名前を変えて Douyin(ドウイン)として中国内で投入する。ロゴは Douyin の頭文字の d を音符のようにした。その国際版がTikTokになる。

アプリの名前が次々に登場し、訳が分からなくなるけど、実際はもっと沢山の同類のアプリは登場している。一言で言い切るなら、TikTokは最良人気アプリMusical.lyの丸パクリ・アプリで出発したって感じかな。


ByteDance年表


ByteDance年表/クリックで拡大

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