2012年~2017年
ヤフー!(#4/5)/マリッサ・メイヤー(#2/2)
2012年7月 マリッサ・メイヤーは YahooのCEOの契約書に署名する。
【関連】182 グーグル、マリッサ・メイヤー
マリッサ・メイヤーがラッキーだったのは、このときYahooはアリババの発行済株式を大量に保有していたんだ。2年後の2014年 アリババの株式公開予定に向けて利益が期待できた訳だ。
つまり この2年間はメイヤーにとって余裕期間となったんだな。ラッキー!実力者は運にも恵まれる。そして、2年後の2014年9月19日 アリババは史上最大のIPO(新規株式公開)を行うんだ。
Welcome Mayer !

2012年7月17日 メイヤー初出勤日、歓迎ムード一杯だった。
レッド・カーペットが敷かれ、入り口にメイヤーの写真風イラストHOPEが掲げられた。すれ違う社員から祝福の声を掛けられ、写真撮影もお願いされた。部屋に入ると、13年在籍したGoogleから お祝いの風船も届いていた。
実はこのときメイヤーは妊娠していた。
にも関わらず、就任当日から夜遅くまで働いた。「出産だって?嘘だろう!妊娠しながら遅くまで働くなんて本当か?」メディアは半信半疑だったようだ。
2012年9月30日 男子を出産する。まだ 就任した2012年7月17日から3ヶ月も経っていないんだよ。出産の最も大変な時期にCEOの職務を遂行し、おまけに出産休暇は2週間しかとらなかった。これは女性社員にとって、とても悪い見本になった。後にメイヤーは就任と妊娠が重なったためとしている。勿論、会社は出産休暇期間をしっかり認めている。
ともあれ、彼女の風貌から想像できない超ハードワーカーだったのは確かだ。

タブレット端末を片手に 写真:vogue.com
就任して直ぐメイヤーは、Yahooにはイノベーションと優秀な人材が不足し、社内が荒廃していたと感じたらしい。
社内改革に着手し、メイヤーが来る前の古株幹部らは去った。社内は明るくなり、社員の士気は良くなった。着任早々、在宅勤務から全出社制に切り替えた。これには反発する社員は現れるも、すぐに駐車場の空きスペースは埋まった。
プログラムの分かるCEO、Googleプロダクト開発の経験が豊富だったため、Yahooプロダクツにも改革を進めた。期待する社員もいれば、恐怖を感じる社員もいたようだ。恐怖を感じる社員の気持ちは何となく分かる。

Google時代のメイヤー 写真:vogue.com
メイヤーの奮闘、その先…
Yahooメールのリニューアル、Yahooトップページの一新、テリー・セメル時代に買収したフリッカーのリニューアル、タンブラーの買収・・・業績回復にメイヤーは奮闘し、実績も残した。2013年の僅か1年間で株価は60%も上昇した。
しかし、Googleのシェアはそれを大きく上回り検索業界そのものが縮小していた。それ故に利益は見込めなかった。検索シェアはキャロル・バーツの頃より低下(19.3%から13%)した。
大企業の経営経験のない判断ミスも少なからずあったようだ。検索アルゴリズムよりYahooのユーザーインターフェースを優先した。Google時代に担当してきたルックアンドフィール・・・見た目や使いやすさを優先した。

Yahooならではのプロダクツに注力すべきをだったのかもしれないね。このあとモバイルにも強化していくが、スマートフォンの市場拡大は予想を超えていた。
メイヤーの人間性もあった。嘘か本当か遅刻常習犯だったらしい。とてもそうは見えないけどね。メイヤーの堂々とした写真が多いから、内気でシャイな性格であることすら分からない。歓喜で迎い入れられたメイヤーだったが周囲からの期待度は徐々に低下していくんだ。