1995年12月初版
ビル・ゲイツ未来を語る(#3/4)
ビジネスはどう変わるか
7章で、PCの今後の可能性、アプリケーションソフトについて書いている。次々と高機能市販ソフトが登場するだろうと書き、続けてP234に、私の恥ずかしい口癖にまで触れている。
この種のツールはいまでも十分高性能だから、新しいバージョンなど必要ないと主張する人がいるかもしれない。しかし、いまから5年、10年前のソフトについて同じことを主張した人がいたことを忘れてはいけない。
あ~、まさに自分ことだ!いつしかソフトウェアがバージョンアップする度に口癖になっている😅
「そんなに進歩してどうするの?」ってね。
そう言えば、当時ワードパーフェクトのCEOが「DOS版で十分じゃないか、何故ウインドウズに移行する必要があるんだ?」の言葉を思い出す。トップシェアを誇っていたWordPerfectは、DOSからWindowsの移行にもたつきシェアを失い、いづれ会社は消えることになる。時代の波に乗らなければいけないという教訓だな。
電子メールとテレワーク
多くのページを割いて電子メールの便利さも書いてある。
何をいまさらだって?
当時はまだ電子メールはどこの企業でも広く浸透している訳じゃなかったんだ。例えば、私が1995年頃に仕事でメールをどのくらい多用していたかさえよく思い出せない。仕事柄、既にPCは朝から晩まで多用していたが、メールを多用していたかの記憶は少ない。常時接続の時代じゃなかったし、携帯電話なんかない時代だった。
必要に応じて送受信していたって感じだったかな。お客様現場作業が多かったこともあり、あまり使っていなかった気がする。
さらにゲイツは今で言うテレワークに触れている。比較的自立性の高い仕事をしている人々は、勤務時間の相当程度を自宅で過ごすようになっている。(中略)今後、テレコミュートし始めるだろう。と(P251)。
加えて新たな人事考課方式を開発しなければいけないとまで言及している。既にテレワークの抱える問題まで指摘しているのだ。
何度も言うけど、これ30年以上前にゲイツ自身が執筆した本だ。数年先のビジネススタイルなら誰しもある程度予想できるが、通常30年先のビジネススタイルなんか語れない。多くはとんでもなく方向違いになるはずだ。もっともゲイツは10年程度先の近未来をイメージしたと思うから、実際は多くの時間が必要だったことになる訳だけどね。
オンラインサービス
8章では、オンラインサービスについて多くのページを使って書いている。オンラインサービスとはネットショップの意味だけでなく、あらゆる販売方法についてだ。
有効期限つきのエンタメ、曲を超低価格で売る代わりに再生数を限定して、その回数を超えるともう一度料金を支払わなければいけない仕組み。10回まで無料でプレイできるゲームなどなど…。今と若干のサービスの違いはあれど、考えは同じ延長戦上にある。
まだスマホがなかった時代の話だ。iPhoneが初めて登場した時も、これほど進化するなんて誰も予想できなかった。私も携帯電話は「電話とメールが出来れば十分だ」と思っていた平凡な一人だったからね。
ビル・ゲイツとハンバーガー・・・
11章 P375には、日本の有名企業が登場してくる。ビル・ゲイツは日本はアメリカに次ぐ世界2位の経済大国として日本を高く評価している。この頃、ゲイツは日本とアメリカを頻繁に往復していたんだよ。
当時の日本は強かった。本には書かれてないが、ゲイツは頻繁に来日し、来日があれば日本企業はゲイツとの面会を切望した。ある時、幕張メッセのイベントにゲイツが登場することになった。企業側が仕出し弁当を用意するんだ。ゲイツに出すから間違いなく高級食材が詰まった弁当だったはずだ。
しかし、ゲイツは仕出し弁当に興味を持たず、クルマで駅前を通過した時のハンバーガーショップを思い出し、ハンバーガーが食べたいと言い出すんだ🤣 これを聞いたイベント主催(確かF社だったかな?)企業の女性スタッフは大急ぎでM店舗に駆け込むんだ。勿論、コーラも忘れずにね♪