自分とコンピュータ史

160 ラリー・エリソン「ビル・ゲイツ 未来を語る」を語る

1995年12月初版
ビル・ゲイツ未来を語る(#4/4)

オラクル創業者ラリー・エリソン「カリスマ(上・下巻)」初版1998年3月発行なる本がある。


カリスマ(上下巻)の下巻

その下巻の525頁から529頁にかけて「ビル・ゲイツ未来を語る」の本の感想が書かれてある。

カリスマ(下巻)の一部を引用すると、「ビル・ゲイツ未来を語る」は、発売から1年後の1996年11月にペーパーバッグになった。表紙には「アップデート版」と書いてある。「未来を語る」を書きあげた1995年半ばにはまだ、セットトップボックスとインタラクティブテレビの話題が業界をにぎわせていた。 ・・・ ハードカバーでは「情報ハイウェイ」を何十回も使っていた。

「ビル・ゲイツ未来を語る」の手直しは、用語を差し替える域をはるかに超えている。バグとりをしたバージョン2というべきペーパーバッグ版でゲイツは、ワールドワイドウェブに1年前よりはるかに強い関心を示している。

1990年代初頭、この業界に在籍していた人なら知っているけど、ゴア副大統領が唱えた情報ハイウェイとかスーパーハイウェイは日本でも話題だったんだ。

アメリカ国内を光ファイバーを引き巡らし、インタラクティブTVとかオンデマンドとか双方向などの用語が突然登場し、そのサービスにアメリカ国民は夢膨らんだんだ。その先頭企業の一つにマイクロソフトがいた。ビル・ゲイツはそれに没頭し、「未来を語る」で熱く語ったのは無理もないんだ。

だからインターネットの重要性に気付くのが少しだけ遅れたんだろうね。でも直ぐに舵を切り、ネットスケープを叩き潰すための反撃に出るんだ。そりゃもう凄かった。
【関連投稿】マーク・アンドリーセンの回想

尚、ラリーエリソン率いるオラクルもこの構想に加わるトップ企業だったんだよ。エリソンが一番熱心だったかもしれない。

「ビル・ゲイツ未来を語る」の311頁にゲイツは、CD-ROMは情報ハイウェイの先駆けだということは間違いない。インターネットは、もうひとつの先駆けだ。インターネットの情報はまだかなりの部分がテキストだが、色々な面白い情報へのアクセスを可能にしてくれる。 と、語っている。

CD-ROMが情報ハイウェイの先駆けだと言い切っているのは、何とも時代を感じる。あのゲイツにしてもそうなんだからね。
でも無理もないんだ。1995年頃と言えばインターネットは動画は勿論、鮮明な写真さえ送受信できなかった時代だったんだ。Wi-Fiは勿論、光通信の前身であるADSLもこれから。私は「ピーガリガリ!」のモデム経由の電話回線で繋げていた時代なんだからね。

しかし、コストががかかりすぎることと、インターネットの爆発的な普及でこの構想は頓挫するんだ。インターネットは急速に進化し、ビル・ゲイツは1995年12月7日のメディアへのスピーチの席上で、事業方針を全社インターネットに転換すると宣言するんだ。

数年の歳月を要して出版された本だったため、書いている途中でも技術はどんどん進化し、出版時には内容を書き換えたかったに違いない。

マイクロソフトは、インターネットに舵をとることで、ネットスケープ社との壮絶な闘いがはじまる。これにはAOLなるアメリカオンライン や サンも関係してくる。確かインチュイットを買収するしないもこの頃だったはずだ。


オラクルの創業は意外と古く1977年であり、マイクロソフト1975年とほぼ同じ年代だ。エリソンはゲイツより一回り以上も年上でありながら現在も会長職として手腕を振るい、今も経済界に頻繁に登場する。これは物凄く凄いことだ。

右:ラリー・エリソン、中央:セールスフォースの創業者のマーク・ベニオフ会長、左:YOSHIKI(2019年10月24日)

以前、YOSHIKIを密着取材したテレビ番組(確か 金スマ スペシャル だったかな)で、キッスのジーンシモンズやセールスフォース会長のオフィスに遊びに行く放送を見たことがある。こんなアメリカの財界と親交があるなんて滅茶凄いよね。

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