自分コンピュータ史

082 個人ユーザーの味方、低価格ソフト アシスト

1990年~

MS-DOSが主流だった頃の3大ソフトと言えば、今と同じように表計算・文書作成・データベースだ。今で言うと、エクセル・ワード・アクセスと言ったところ。エクセル・ワードはデファクトスタンダードになっているが、アクセスは意見が分かれるところかな。

アシスト

この頃の個人で使用するソフトとなると ロータス123(98,000円)は定番で、一太郎(58,000円)管理工学研究所の松(初期バージョンは何と128,000円だったような?)、データベースソフトの考えは人それぞれだけど、要は個人でとても購入出来ない価格帯ばかり。

アシストカルク

私はこの業界に在籍したお陰で、多くのソフトを体験する機会に恵まれていたが、そうでない人はなかなか手が出せない。製品は非常に高機能でも、自宅でたまにしか使わないのであれば、低価格でも そこそこの機能を満たしてくれれば良いはずだ。

そこで登場したのがアシストシリーズ。ビル・トッテンさんが株式会社アシストを設立し、低価格ソフトを販売した。

アシストワード

「9,700円、それでも結構な値段ではある」と思うかもしれないが、当時の私は これが破格の値段に思えた。ロータス123の98,000円の10分の1の価格だ。一太郎も人気があったが、文書作成ソフトが欲しいと思っても 58,000円 は気軽に出せる価格じゃなかった。

アシストカード

低価格でそこそこの機能を備えるソフトを望む人に迎えられた製品だったのだ。

当時、私の友人がMS-DOSのノートPCを購入し、パソコンの設定をして欲しいと、ノートPCとアシストカルクとアシストワード持参でやってきた。私はアシストシリーズは触ったこともなかったが、何となく理解出来たので設定した。MS-DOSは COMMAND.COM と autoexec.bat が分かれば MS-DOSを快適に設定することが出来る。

アシストアート

高機能ソフトを知ってしまえば、アシストシリーズは機能制限が多々あるため使い勝手に満点は付けられないが、自宅で集計や文書作成を理解し、高機能ソフトに移行する足掛かりとするなら最適だ。ソフトを使いこなし、物足りないなあと思ったら高機能ソフトを買えば良いのだ。

アシストカルクは、表計算は縦横集計が勿論出来たし、関数がどれほど充実していたかは分からないが、しっかりグラフ表示が出来た。ワード、カード、アートの他にアシストメールなんてのもあった。これってOfficeソフトの元祖だな。

会社は多くのサービスを提供し拡大し、今も健在企業だ。今の低価格ソフト商品群を考えるとソースネクスト社に似ているかも。

ピックアップ記事

  1. 060 トロン 日本国産OSが世界を狙う!
  2. 134 インチュイット と 弥生会計
  3. 056 ファミコン登場!
  4. 085 ジョブズの本気、世界を変える
  5. 059 マッキントッシュ誕生!

関連記事

  1. 自分コンピュータ史

    154 イラストレーターとフォトショップ

    1987年~2000年初頭Adobe製品とウェブクリエーターたち(…

  2. 自分コンピュータ史

    110 Windows95の登場

    1995年8月から数年間この頃からインターネットが急激に加速す…

  3. 自分コンピュータ史

    038 Linuxとディストリビューション

    1991年 フィンランドのリーナス氏がUNIXを手本にLinuxのカー…

  4. 自分コンピュータ史

    056 ファミコン登場!

    1983年~前回、1983年にMSXパソコン仕様が提唱されたと…

  5. 自分コンピュータ史

    146 マクロメディア、FLASHの隆盛

    1996年~2020年末サポート終了「144 オー…

  6. 自分コンピュータ史

    144 オーサリングソフトの雄、Macromedia Director

    Directorの隆盛1990年代から2000年そこそこ…

カテゴリー

OM社長 徒然ブログ1

OM社長 徒然ブログ

タグ分類

業界回想記事

私的業界記事

私的感慨深い記事

歴史的記事

PAGE TOP