自分コンピュータ史

037 UNIXの誕生 と UNIX戦争


UNIXなるOSは1960年代後半に誕生し、70年代 80年代と発展してきた歴史あるOSだ。OSと言うとMS-DOSとかWindowsやMacOSなど思い浮かべる人もいるかもしれないが、それらよりも古いのだ。


Unix/Linux ログ画面

UNIXでコマンドをタイプすると「MS-DOSのコマンドに似ているなあ」と思う人がいると思う。実のところ最初は私もそうだった。そもそもMS-DOSはUNIXの影響を受けている、似ているのは当然だ。MacOSもUNIXの影響を受けている。

脇先生の書籍「LINUXがWindowsを超える日」(1999年)の90頁からUNIXの生い立ちが書かれてある。
1969年頃、AT&Tベル研究所に在籍していたケン・トンプソンの私的な研究として出発した。

この私的な研究と言うのは、仕事の余暇にスペース・トラベル(宇宙旅行)と言うゲームをFORTRANでプログラミングだったらしい(笑)。
しかし、プロジェクトの撤退に伴い そのコンピュータが使えなくなり、研究所内に捨ててあったミニコンPDP-7にデニス・リッチーの力を借りてスペース・トラベルを動かすように試みた。それがUNIXに発展していったとか。

本当かいな~?
誰しも疑うような話だ。脇先生も疑問に思っていたようだが、事実か否かの続きが93頁に書かれてある。
続けて93頁には、トンプソンはUNIXというOSを作る事だけでは満足せず、1970年 機種依存性の少ないプログラミング言語を作りだす。この言語はB言語と名付けられた。続いてデニス・リッチーがB言語の良い点だけ取りだし、磨きをかけてC言語を作り出す。

頭の良い人は凄いねえ~驚嘆しかない。

AT&Tベル研究所は独占禁止法の関係でコンピュータ産業に参入することが許されず、UNIXを商品と売ることは出来なかった。そのためC言語で書かれたUNIXは大学や研究機関などを中心に進化していく。この段階では殆ど非営利として広がっていく。

1973年頃 ビル・ジョイはトンプソンに出会い、1977年 BSD版(Berkeley Software Distribution)としてまとめる。どんどんUNIXは進化していくことになるが、バークレーでは欲求不満だったビル・ジョイは 1982年サン・マイクロシステムズに引き抜かれ創業者メンバーとなる。

1984年 AT&Tの分割で、AT&Tはコンピュータ産業に進出が許された。UNUXの神様と称されるビル・ジョイを迎えたサン・マイクロシステムズはUNIX用ワークステーションとして市場シェアをどんどん伸ばしていくことになる。UNIXマシンはブランド化され非常に高価で手の届かないマシンに変わっていく。

私もサンマイクロの知的なUNIXマシンに憧れたもんだ。
【関連】033 憧れのサンマイクロ社のUNIX


こちらは読んでいない、こんな本もあったなあ…

「LINUXがWindowsを超える日」には、UNIXに関する周囲の複雑な内容が記載されている。OSF(Open Software Foundation)とUI(UNIX International)なる2つの陣営に分かれてUNIX戦争にまで発展する。

「LINUXがWindowsを超える日」を改めて読み直すと、内容をすっかり忘れていた。まるで初めて読む本のようだ(笑)。時代を経ると当時読んだときの印象がこうも受け止め方が変わるものかと痛感した。

OSF陣営:アポロ、仏ブル、DEC、HP、IBM、独ニクスドルフ、独シーメンスなど
UI陣営:AT&Tベル研究所、サン・マイクロ、インテル、東芝、富士通、ユニシスなど

要約して記載したけど、複雑すぎて収拾がつかなくなってしまった。混乱する複雑な内容のため割愛します。詳細は本を読んで欲下さいな。
一般市場の手の届かなくなっていくUNIXだが、まもなくLinuxが登場することになるんだ。

【関連】098 Linuxの登場

結論だけ記せば、WindowsNTの登場でOSFとUIは抗争を解消し、結束することになる。WindowsNTの脅威が忍び寄ってきたことを実感したからだ。ここにもマイクロソフトが登場する訳だ。恐るべきマイクロソフトだ。

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